いつまでも弟だと思うなよ。



***



「おばさん、チカいる?」



今日の分の作業が終わり、私は学校からそのまま奥原家に立ち寄った。




「あら〜可奈子ちゃん。千景なら部屋にいると思うわよ」

「あ、本当?ありがと、おばさん!」



早速チカママにチカの在宅を確認した私は、少し緊張しながらも2階へ続く階段を登る。




チカの部屋の前にまで差し掛かると、一度だけゆっくりと深呼吸をした。





どうしても今朝のことが気になってモヤモヤしてしまった私は、まんまと奥原家へとやってきたんだ。


いつもならノックもなしで突撃するけど、何となく今回はノックをする。





「はい」


小さく声が聞こえ、意を決してそのドアを開けた。





開けた瞬間、中にいたチカといきなり目が合う。




「……は?なんでカナが…」


訪問者はチカママあたりだと思っていたんだろう。


急に顔を出した私に、チカは目を丸くさせた。