いつまでも弟だと思うなよ。




「………」

「………」



作業を始めると、やっぱり訪れる沈黙。




昨日なら平気だったはずのこの時間が、なんだかどうしても気まずく感じてしまう。



なんで、こんなにも普通でいられなくなってしまったんだろう。





…チカとのことだってそうだ。


普通でいられなくなってしまった。





明日からチカとどう接していこう。


いつも通り、奥原家に行ってもいいのかな?




「はぁ…」




…ダメだ、考えるだけで胸が痛い。




「ため息、今ので4回目」

「…へ?」


真田くんの声に思わず顔を上げた。




片肘をついて私を見ている真田くんに、なんだかドキッとしてしまう。




「もしかしてそれ、俺のせいだったりする?」


苦笑する彼に、ブンブンと首を横に振った。