「時計見ろよ。いつもの時間になっても来ないから、俺が来たんだ」
「へ、時間…?」
言われて時計を見れば、とっくに準備を済ませて奥原家へ行ってる時間だった。
「うーわ、最悪…」
真田くんのせいで日常生活にまで影響出るなんて。
せい、っていうのも失礼か。
「ごめんねっ。すぐ準備するから玄関で待ってて!」
慌てて部屋に戻り、スクールバッグに教科書を詰め込んだ。
そして玄関に戻ろうとする時、部屋にあった鏡を見てハッと止まる。
…ブレザー、脱いじゃダメなんだよね。
けど暑いのは我慢できないし、髪…縛ろうかな。
「またあんなことになるのやだし…仕方ないか」
そう思って髪ゴムに手を伸ばした時、パシッと腕を掴まれた。



