ズルい。



まず最初に思ったのはそれ。




いつもいつも、真田くんは言うだけ言って私を混乱させるとすぐ何処かへ行く。


確かにその場に残られても困るけど、ここまで来ると新手の言い逃げだ。





ポツンと教室に残されて、私もゆっくりと帰り支度を始める。



椅子に掛かったブレザーを手に取った時、また思い出してしまった。





『こっちは誘ってるようにしか思えない、ってこと』





「…〜〜っ、何よ!そんなつもりないっての!」


勢いよく言葉を吐き出して、私もさっさと教室を出た。





もう、明日からどうやって接すればいいのよ…。