「だからさ、」
真田くんが口を開く。
「こっちは誘ってるようにしか思えない、ってこと」
「……〜ッ」
紡がれていく彼の言葉で、今の私はどんな顔をしているんだろう。
「もう一回言おうか。──…好きだよ、宮野。早く俺を好きになって」
こんなに真剣で、真っ直ぐな真田くんは見たことがない。
「な、な…っ!」
「クスッ。普段はふざけてるけどさ。意外と俺、真面目だよ?」
楽しそうに笑う真田くんに、私はもう着いていけなかった。
「…じゃ、今日はここでお開きにしとこうか。宮野、もう集中出来ないだろ?」
意地悪に笑われたが、まさにその通りで。
「また明日な」
最後に私の頭を撫でて、彼は教室を出て行った。



