「………」

「………」



お互い無言で手を動かす。




夏休み前とはいえ、夕方でもすっかり上がった気温。


夏休みが始まるまでは夏季制服はお預けなため、今上に着ているブレザーが邪魔でしょうがない。





「…もう無理。暑い」

「え?」


我慢できなくなった私は、たまらずブレザーを脱いだ。





「……ッ」


その行動を見て何故か慌てたように視線を逸らす真田くん。




「え、何?どうしたの?」



脱いだブレザーを椅子に掛けながら、私は彼の様子に首を傾げた。




呆れ顔にも見える真田くんは、手を止めて私に向き直る。