何を言い出すのかと構えていると。
「宮野さ、今好きな奴っている?」
「へ…っ?」
まさかの予想だにもしない質問に素っ頓狂な声が出てしまった。
「す、好きな人…?」
「そ。好きな人」
いる?ともう一度聞かれ、咄嗟にふるふると首を横に振った。
「…そっか、じゃあまだ間に合うな」
何かボソッと呟いた気もしたけど、私の耳には届かなくて。
何て言ったの?
そう聞く前に、真田くんが一歩前に足を進ませた。
「…ッ、」
突然近くなった距離に、なんだか戸惑ってしまう。
「…宮野」
「は、はいっ…!」
名前を呼ばれ、思わず勢いよく返事をした次の瞬間。
「好きだ」
真田くんからのたった3文字の言葉に、一瞬頭が真っ白になってしまった。



