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次の日の放課後。
「宮野、いる?」
いつも通りチカちゃんを待っている私を、誰かが呼んだ。
「あ、真田くん」
そこには、昨日会ったばかりの真田くんの姿があって。
「どうしたの?」
「あのさ、今時間ある?」
「え、あるけど…」
私がそう言うと真田くんは「ちょっと来て」と私を非常階段のところまで呼び出した。
この学校の非常階段は避難訓練の時以外使われないため、滅多に人は来ない。
「どうしたの?今日部活は?」
「今日は休み……って、そうじゃなくて」
ふぅ、と息を吐く真田くん。
どうしたんだろ、何か緊張してる?



