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「みーさーっ!」

「わっ、びっくりした〜…。…可奈子、いい加減朝の突進やめてくれない?」



朝の登校時間。


いつも絶妙なタイミングで私の前を歩いてる親友を見つけて、今日も突撃した。




振り返るのは安定の美人さんの佐倉美沙(サクラ ミサ)。


中学からの親友であり、高3の今、奇跡的に同じクラスでもある。




「美沙〜。チカちゃんが、チカちゃんがぁ…」


そして、これまた毎朝の恒例。




「あーはいはい、今日も反抗期だって?」

「うぅ。昔はあんなに可愛かったのに…」



チカちゃんの反抗期が治らない現実を、私は毎朝美沙に報告していた。





「千景くんもそうだけどさ、可奈子も相変わらずよね。千景くんへの溺愛っぷり」

「だって可愛いんだもん!」

「うわ、即答かい」


可笑しそうに笑う美沙に頬を膨らます。