あまりにもしっかりと目を見て伝えてくるもんだから、不覚にもドキッとしてしまった。



「ま、またそうやって呼び捨てにして…っ」


そうは言うものの、何故かうまく視線を合わせられない。




「全然説得力ないけど。何、もしかして照れてんの?」


意地悪く言うチカちゃんの手は、偉そうにも私の頭をポンポンと撫でる。



昔は私の方が大きかった身長も、私の方が見上げるほどに差が付いてしまっていることに気が付いた。





「照れてないし!年上をバカにしないのっ!」

「…また年上かよ」


ボソッと何かを言った気がしたけど、照れてるのか怒ってるのか慌ただしい今の私には到底聞こえるわけもなく。




「な、なんか、今日のチカちゃん変でやだ!いつもの可愛いチカちゃんじゃない!」



自分でもだいぶよく分からない発言をして、チカちゃんを置いて先に家へと走ってしまった。







「…ま、最初のうちはこんなもんか」



残されたチカちゃんがそんな事を言っていたなんて、気付くはずもない。