「てことで美沙。今日はチカちゃんと帰ります」
「うん、その方がいいよ。また明日話聞かせてね」
「うん」
いつも一緒に帰ってる美沙に断りを入れて、私は初めてチカちゃんと下校することになった。
「…で、チカちゃん。本当に今日はどうしちゃったの?」
「何が」
「もうっ、とぼけないの!」
帰り道。
ようやく周りの目が気にならなくなったところで、再びチカちゃんに問いかけた。
だってどう考えたっておかしい。
睡眠優先で毎日ギリギリに登校するチカちゃんが朝早くに起きてるし。
学校が終わった瞬間さっさと家に帰るチカちゃんが放課後いつものんびりな私をわざわざ迎えに来るし。
しかも1年生にとっては入り辛い3年の教室に寄って、だ。



