「ちょ、チカちゃん!」
思わず近付いて問いかける。
「おせーよ」
「あ、ごめん…ってそうじゃなくてっ!なんでいるの!」
突然のチカちゃん出現に驚き焦ってる私は、いつもより強い口調でチカちゃんを問い詰めた。
それなのに何故か呑気なチカちゃんは「可奈と帰ろうと思って」なんて平然と言ってのける。
「『帰ろうと思って』ってそんな呑気な…」
もう呼び捨てなのは今日はいい。突っ込むのやめる。今日は、ね。
それよりも、今朝といい今といい、チカちゃんのこの大きな心境の変化の対処の方が重要だ。
「可奈、早く」
どうするべきかと頭を抱える私なんて全く気にもせず、チカちゃんは私を急かし続ける。
「…はぁ。分かった、とりあえず帰ろう、チカちゃん」
「ん」
いくら私でも流石に周りの目が気になってしまい、とりあえず帰ることを選択した。



