「可奈、置いてくよ」

「え、わっ、待って!って、呼び捨てにしないのー!」

「うるさい」



スタスタと進んで行くチカちゃんに、慌てて私は追いかけた。




***




「……で、ああいう事になった訳ね」

「はいその通りです」


教室に着いて、私はまず美沙からの尋問を受けることになった。



流石人気者のチカちゃん。


私と登校したことで、それはもう周りの女の子たちが大騒ぎになったのだ。




「ま、女の敵を作っちゃったのはしょうがないよ。だってチカちゃんだもん」

「…あんたのその千景くんへの想いは恐ろしいわ」



やれやれと呆れた様子の美沙。


いくら美沙が呆れようとも、私は今日のチカちゃんのたまらない可愛さでどんなことでも乗り越えられる気しかしない。