「一気にガキっぽくなってるし」
「なんか言った?」
「いや、別に」
誤魔化すチカを放って、私は再びりんご飴の屋台に向き直る。
「ねーチカ、買おうよー」
「勝手に買えばいいだろ」
「けち」
あくまでもチカはりんご飴を買う気はないらしい。
「いーもん。1人で買ってくるから。チカそこにいてね!」
「あ、ちょ、可奈…っ」
チカをその場に残して、私1人、人混みの中に入って行った。
人混みを少し抜ければ、もう目の前にはりんご飴の屋台。
メインのりんご飴とは別に、いちご飴やみかん飴も並んでいる。
いちご飴なんて買ったらまたチカにバカにされるなぁ、なんて1人で思ってクスッと笑ってみたり。



