「可奈絶対勘違いしてる。…逆だから」
「へ?」
何を言ってるのか分からなくて聞き返してしまう。
私があまりにも理解してないからか、「あーもう」とチカはこっちに顔を向けた。
「だから、似合ってるって。すげー綺麗だから目見れないだけ」
それくらい分かれよ、なんて言って、チカは外で待ってるからとドアを閉め出て行った。
「…っ、何、今の」
バタンと閉まったドアを見つめて、思わず声に出る。
一瞬だったけど、チカの耳が赤くなってるのが見えた。
「そんな顔して言わないでよ〜…」
照れた顔で「綺麗」だなんて、そんなのこっちまで照れてしまう。
やばい。
変だ、私。
そんなことを思いながら、熱くなってしまった頬に手を当てる。
その熱が冷めたのを見計らってから、私も外に出た。



