「嘘。冗談だって」

「…へっ?」

「可奈、自分で起きて着替えたんだ。体温もその時自分で計ってる」




やっぱり覚えてなかったか、なんて可笑しそうに言うチカに、ムッとする。




「騙したの!?」

「可奈の反応があまりにも可笑しくて、つい。それとも何?俺に着替えさせて欲しかった?」



ニヤリと笑うその顔は、完全にチカの意地悪スイッチがオンになった証拠。





「そ、そんなわけないでしょ…!」

「それは残念」


またクスリと笑って、チカはベッドの端に腰かけた。





それからジッ、と見つめられて、何故か顔が近付いてくる。




「な、何…?」



どこか危機感を感じたのに、後退しようにも動けなかった。





思わずぎゅっと目を瞑った、その瞬間。