「変だと思った。登下校拒否するしメッセージも既読もつけないし。気になって来てみれば案の定か」
「だって…」
「言い訳すんな」
ピシャリと言われて口を紡ぐ。
この状況についていけてないらしい真田くんに、チカが言い放った。
「センパイは好きな女の熱にも気付けないんすか」
「は…?熱?」
驚いたように私を見つめる真田くんに、なんとなく笑って誤魔化すしかない。
「え、大丈夫なのか?悪い、触れてないから全然気付かなかった」
「触れなくても気付くでしょ、普通」
折角真田くんが心配そうに声をかけてくれたのに、チカはそれに言い返す。
「チカが特殊すぎるんだってば!なんで毎回見ただけで気付くのよ〜…」
だから会いたくなかったんだ。
会えばすぐに気付かれて学校に行かせてくれなくなるから。
だから、日直だなんて嘘ついて朝家を早く出てまで避けてたのに。



