「って、それより!お前、泣かせたぞ」

「は?」

「金城だよ。お前が出てった後涙ぐんで保健室に行ったっきりだぜ?」

「ふーん」




何を言い出すかと思えば、そんなこと。




「冷たいな」なんて勇太は言うけど、別に興味なんてないんだから仕方ない。




「一応お前って学校では大人なクールキャラだろ?だから、お前が初めて公で暴言吐いたせいで女子みんな怖がってんだって」

「知るかよ。周りが勝手なイメージ作るからだろ」




そもそも、大人ってなんだよ。


可奈にはまるでそう見られなかったのに。





「早く可奈子ちゃんと話せよ。んで仲直りしろ!」

「…るせーな」



勇太に言われて顔をしかめる。



言われなくたって分かってるよ、そんなこと。


分かってるくせに、行動できないんだ。