花火が終わると

誰かが近づいてきた


「あら、美波ちゃん?」

「はい。美波です。」

「龍の母です」

「あっ!龍くんとお付き合いしてます。美波です!よろしくお願いします」

「うちの子をよろしくねぇ」

「はい」


優しそうな人だった

「ほら、龍!帰るよ」


龍は寂しそうな顔をした
何かを言いたそうな

「龍?」

龍の顔をのぞきこんだ

「あ、おう。なんでもない」

「そっか」

「じゃあな」

「うん。ばいばい!!」

また背中を見つめた

夜だったから
背中がどんどん消えていったね


人も少なくなっていって

少し寂しくなった





明日もお祭りだ。
会えるから、大丈夫。