人生は甘くない。

きっと幸せすぎたのかもしれないな。


今となるとそう思う。










お祭りがあった。
街でも有名な夏祭り。


かき氷を食べながら
龍が来るのを待っていた私は
日焼けしてもお構い無しに
ずっと道路を見つめていた


「おお。いたのか。来ねぇと思ってたわ」


特別に約束をしている訳では無い
待ち合わせをしようねっ!なんて
話しているわけでもない

ただ、待っていた私をみて
龍はひたすら笑っていた


その笑顔が大好きで
私もつられて笑った


手を繋いだ。
花火を見ながら
龍は手を強く繋いでいった。

「来年も一緒に見ような」


何故か、泣きそうになった

幸せだった。


「うん」




あの花火は一生忘れない。