「俺、そろそろ帰んなきゃ。」
「そうなの?」
「おう」
「お母さんに、一緒にいるとこ見られたら大変なんだ」
「…ごめん」
龍は、最近すごく謝る
「大丈夫だよ!一緒にいれて楽しかった!」
「お前、優しいよな。」
そう言って龍は私にキスをして帰った
前言ってた約束
''また送ってやるよ''
あれから果たされていない約束
そしてこれからも果たされない約束
私は龍といる時間を大切にする
と胸に誓った
龍はどう思ってたかなんてわからないけど
同じ気持ちでいることを強く願っていた
周りの友達を見てると
デートに行ったり
いっつも遊んだり
正直
羨ましかった
なんで私だけ?
なんで私たちだけ?
何度も思ったけれど
やっぱり私は龍と一緒にいる時が
世界で一番幸せだったから
もう何も欲しいものはなかった
龍のためだったら死ねる
命をも無駄にできる
その言葉に嘘はなかった
