学生がみんな集まる公園に
私は真奈美達と行った


「龍くると、いいね」


この公園に来ると
決まって綾香がこう言う。



「うん」




16:30頃

龍は自転車に乗ってきた




「おお。いたのか。」



はにかんでる龍

やっぱり安心する。
龍の顔を見ると胸がほっとする



「美波。海行こか」


「名前で呼んだー!うん!行く」


「うっさいわあほ。カバン乗せろ」

龍の自転車にカバンを乗せると
2人で海まで歩いていった




「海だぁー!」


夕日が沈みかけた海は
寂しくて綺麗だった

まるで私達みたいで
涙が出そうになったけど

龍に悟られないように
コンクリートの上に腰をかけた


「お前、はしゃぐなって」

頭を撫でながら龍が隣に座った

龍に頭を撫でられる度に
私は幸せな気持ちになる

「美波」

キスをした。

今がすべてだと思った

今が幸せなら
明日も明後日も幸せで
龍が隣にいれば
他に幸せはなかった


「ねぇ、龍」

「ん?」

「幸せって何かなぁ」

「ねぇよ、んなもん」

「え?どうして?」

「幸せって感じてもすぐなくなっちまう。いっつもそうだ」

龍は夕日に手を伸ばし
指を1本ずつおっていった
横顔は真っ直ぐ前を見ているようで
後ろを向いていてどこか寂しそうで
今、掴まなければ
どこかへいきそうだった

私は龍を抱きしめた

「龍。辛いことがあるなら話していいのに。私ばっかり言って。なんでもいっていいのに。楽しかったこととか、嬉しかったこと面白かったこと、悲しかったこと辛かったこと、苦しかったこととか。なんでも言っていいのに」

「ごめん」

「私は、龍のこと大好きだよ」

「俺も好きだよ。美波。離れないで。俺を一人にしないで」

肩が少し震えていた

過去に何があったとか
今何を抱えてるとか
そんなこと少しも話してくれないのに
この日だけは
すこし、近くによれた気がした



私の太陽はあなたです。龍