9月になった。

寒くなってくる季節。
腕の傷を隠すように長袖ばかりを着た

まだ半袖の人もいるけれど。



腕の傷が嫌いだった


龍はいつも私の腕を見ては
悲しい顔をしながらなでてくれる

「もうしないでくれよ…?」

って言いながら。



だけど私は
龍のお母さんに別れなさいって言われた時から、また自傷をするようになった


「ごめんね」って言いながら

龍はその度に悲しい顔をして
私を強く強く抱きしめた

龍が震えた声で

「ごめんな。ごめんな。」



くり返し言ったのは


忘れられない。悲しい思い出。




もう付き合って四ヶ月ほどになる

龍のことはあまり知らない
というより何も話してくれない

過去に何があったとか
今がどうだとか


話してくれるまで待っている私は
龍がすこし遠くな気がしていた