するとなよ子の走る先に
うずくまっている人影が見える。


「員子!」


短く叫んだなよ子は
うずくまる人影に走り寄る。



「ぜえぜえ……はあはあ……」


員子は道にうずくまり
青い顔で息をしている。


日ごろから走ったことない上に
寄る年波。

無理やり走ったせいで
員子は動けなくなってしまっていたのだ。


目の前に立つなよ子を
ちらっと見た員子は


吐き捨てるように言った。


「さあどうにでもするがいいわ。
殴る?蹴る?お金をとる?」


苦しそうに息を吐く員子をじっと見つめた
なよ子。


そして怖い顔をしたなよ子は
員子を見つめてこう言った。


「大丈夫ですか?」