絶対に痩せられるダイエット

体重計の表示を見ようと
手下たちが駆け寄ってくる。


員子となよ子はにらみ合ったまま
視線をそらさない。


視線と死線の攻防。



やがてマッチョ男が
残念そうに首を振りながら


員子を見た。



員子は椅子から立ち上がり
体重計の数字をじっと見つめた。


ため息をつく員子。


「53キロ。

なよ子さん何か言い残すことは
あるかしら?」


赤い処刑ボタン。


何一つ色のない
殺風景な部屋の中に咲いた赤は

まるで一輪の毒花のよう。


その時なよ子は笑った。


くすくすと笑いだすなよ子は
狂気を宿したかのようにも見える。


やがて笑うのを辞めたなよ子は
員子を見据えてこう言った。


「チョチョシビリ霊子」