絶対に痩せられるダイエット

なよ子の宣戦布告を聞いても
員子は眉一つ動かさない。


張り詰めた沈黙が
部屋の中に広がっている。



なよ子の額から
汗が一滴。


員子はなよ子を見据えたまま
床に置いてある体重計を指さした。


「乗りなさい」


ごくりと喉を鳴らすなよ子。


少し震える体で
一歩一歩体重計に向かって歩いていく。


にやりと笑う員子。


口を押えて
笑いをこらえる手下たち。


カチャ……


なよ子が片足を乗せると
わずかに音を立てる体重計。


なよ子は覚悟を決めて


体脂肪も計れる
便利だけど少し値段が高い体重計に


両足を乗せた。