「一郎君」


そう言って絶句するなよ子。


一郎が友達を引き連れて
視聴覚室に現れたのだ。


一郎は検索ちゃんを見て声援を送り
手を振っている。


恐れていたことが
とうとう現実になってしまって


わなわなと震えだすなよ子。


とうとう一郎君が
検索ちゃんを見てしまった。


超絶美人で歌もうまくて
性格いい


完璧超人の検索ちゃん。


そんな検索ちゃんと
一郎君がとうとう出会ってしまった。


そう。


2人が恋に落ちないわけない。


そう思ったなよ子は頭を抱えた。
真っ青な顔でつぶやくなよ子。


「やめて……やめさせて」


髪の毛を振り乱して
なよ子は叫ぶ。


「このライブをやめさせて!」


するとなよ子の背後から声が聞こえた。
静かな黒い声。


「はい……わかりました女王様」