ライブの日は晴天だった。
雲一つない青空。


でもなよ子の心は
どよんとした曇り空。


学校の掲示板に貼られた
ライブのチラシをじっと見るなよ子。


腐った魚のような眼をしたなよ子は
チラシをはがして


くしゃくしゃポイした。


青空に舞い上がったチラシは
風に吹かれて地面に落ちて


かさかさと転がっていく。


「なんかイライラする」


そうつぶやいたなよ子は
時計を見た。


今は放課後昼3時。


もうすぐライブが始まる。


心の中に黒いものを
いっぱい貯めこんだなよ子は


フラフラと
視聴覚室へと向かった。