「また一郎君に近づいたら
今度は殺すから。


じゃあねー」


ボロボロの心に
ベッタベタの身体になった


なよ子を見捨てて


ののかたちは去って行った。



なよ子は動かない。


完全死亡か?
機能停止状態のなよ子は


ボロボロの姿のまま
まったく動かない。


誰もいないグラウンドに
静寂が流れる。


寂しさを募らせる風が
一つ吹いた。




その時
なよ子の肩がぴくっと動いた。