絶対に痩せられるダイエット

なよ子は自分の手で
檻を閉めた。


「もうとんかつダイエットも
必要ないみたいですね」


にやりと笑ってマッチョ男が
つぶやく。


なよ子は檻の中で思う。
もう後戻りはできない。


もうだらしなく太って
皆から馬鹿にされていた


自分には戻れない。


みんなからちやほやされるのは
気持ちがいい。


それに……


人を見下して
馬鹿にするのは最高に快感。


だからダイエットは
辞められない。


もっとやせる。


もっとやせてやせて
キレイになりたい。


きれいに……きれいに……


なよ子は同じ言葉を
ずっとブツブツと繰り返している。


自分にとって大切なものを
失ったとも気が付かず


哀れななよ子は
檻の中で青い顔で座っている。