絶対に痩せられるダイエット

その時


ののかの耳に
とんとんと階段を上がる靴音が


飛び込んできた。


誰かがののかのいる踊り場まで
階段を上がってきている。


「どうしたんだ?」


ぼろぼろのののかの前に立った人物は
そう言った。



涙がこぼれそうになるのを
ののかがぐっとこらえるのは


わずかなプライドが
残っているから。


「制服……汚れてるな」


心配そうな声。


ののかは無理をして
さばさばした態度でこう言った。


「自業自得。


いままでやってきたことが
全て自分に返ってきただけ」


ののかの言葉を聞いた人物は
少し笑ってこう言った。


「強がり言ってる。
お前は昔からそうだよな」


ののかの目から
とうとう涙がポトリと落ちる。


「ののかは幼稚園の頃から
何にも変わってない」