絶対に痩せられるダイエット

「それでね。


なんかべっちょりした感じは
嫌なんだよなー


もっとシャキッとした感じで
それでいてほんわかあったかなのが


ベストだなー」



「もうこれ以上喋ると
美人が台無しになるよ……


おまかせでいいよね?」


眉毛をぴくぴくさせて
美容師の男が言うが


なよ子は不満顔。


でも美容師に
喉元にカミソリを突きつけられて


ようやくなよ子は首を縦に振った。


美容師は慣れた手つきで
なよ子の髪をカットしていく。


みるみる変わっていく
なよ子の髪型。


さなぎから出てきた蝶が
美しい羽根を


だんだんと広げていく様のように


なよ子は生まれ変わっていく。


やがて手を止めた美容師が
満足そうにうなずいた。


「さあ、鏡を見て」


美容師がそう言ったので
伏し目がちだったなよ子は


恐る恐る顔を上げて
鏡を見た。