けんさくちゃんには
呪われた黒い首輪は


付けられていなかった。



そりゃそうだ。


けんさくちゃんはナイスバディだから
まったくダイエットする必要がないから。


でもけんさくちゃんの足首に
黒い鋼鉄の物体を発見した時


なよ子の背筋は凍った。


「その強引なキャラ付けも
員子の命令なんですね……」


なよ子がそう言うと
けんさくちゃんは一瞬悲しい顔を見せた。


「私……実は水虫に悩んでて……


私、高校で剣道部に入ってて
一年中素足で過ごしているのに


なぜか水虫なのよ!


全然足とか蒸れたりしないのに
しつこい水虫は


治ってくれなくて


それで員子に水虫治るって
騙されて黒い足輪を付けたの。


ルーララー


だからビト子で検索して!


だって私は」


泣き出しそうな顔のけんさくちゃんは
またツインテールを両手に持って


くるりと一回転した。


「私は検索ちゃん」