絶対に痩せられるダイエット

そしてなよ子は
笑顔で立ち上った。


ののかが一郎とキスした
というのは


うっそうそのうそうそだと
分かったなよ子の目に


力強い光が戻っている。


「ごめんね。掃除の邪魔して。

じゃあね」


なよ子は一郎に微笑んで
立ち去ろうとした。


しかしその瞬間
一郎がなよ子に声をかける。


「まって」


止まる時間。


何も聞こえなくなった二人だけの
世界に存在する


一郎となよ子。


「なに?」


小さな声で答えるなよ子。


しかし
一郎は何も言わない。


自分で呼び止めたくせに
一郎は黙ってなよ子を見つめている。