月と太陽

午後5時。

作曲の勉強が終わったので、学校に向かう。

学校は、いつも凛さんが車で送り迎えをしてくれる。

「ミツキ、学校はどう?」

「勉強にはついていけてるよ」

「そうか。綾さんには、連絡してる?」

「時々してるかな」

綾さんというのは、私のお母さん。

私の両親は仕事で海外にいるため、凛さんや、れーちゃんが親みたいなもの。

私のことをスカウトしてくれた凛さんは、お母さんの高校時代の後輩だった。

私の本名も知っているけど、「美月」と事務所で呼ばないよう、ずっと「ミツキ」と呼んでいる。

柚月も、凛さんやれーちゃんと親しい。

2人とも、毎日交代で泊まってくれているから。

そこまでしなくていいよ、と言ったが、

女の子の2人暮らしは危ないでしょ?

と凛さん、れーちゃんに言われてしまった。

2人には、感謝してる。

それが、私の相方がサクヤくんになることを拒まなかったひとつの理由。