月と太陽

「今日もありがとう!終わったら連絡するね!」

と、凛さんに伝え教室に向かう。

また1番乗りかなー?と思っていたら

私より先に、片桐千尋が来ていた。

「美月〜!」

と言って手を振る彼女。

同じように、私も手を振り返した。

千尋は、小柄でかわいいふわふわしていて、

小学校からの友人。

持ち前の可愛さが、他の女子から嫉妬され、

中学ではイジメられていた。

千尋には夢がある。

定時制に行きながらバイトをして、

フルートを買うこと。

彼女は小学生の頃からフルートを習っているからだ。

千尋の両親もそれを了承してくれたため、現在に至っている。