一週間で重要な仕事は終わらせる様にしろと言う会社の規則で、それを守って寝る間を惜しみ惜しみそれを終わらせた私は、ある大きな居酒屋で飲み会をする事になった。と言う事で、私と鈴木さんと言う男性の上司と菊池先輩ともう一人の方も鈴木さんと同様に上司である方だが違う部署のお方であり、私はあまり面識が無いので名字さえも無知でお恥ずかしい限りである…。申し訳無い…。そもそも上司のお二人方と菊池先輩と私が何故狭い喫煙所で集合して話しているのかと聞かれたら、答えは一つ。幹事係であるから。ざっくり説明をすると…会社内の全部署と集まる(飲み会)、親睦を深めるとか何とか社長が仰っていたが私としてはズル休…いや、仮病を使ってでも休みたかった。私が幹事係になるのは予測していたので直ぐに休みたくなった、何故そんなに嫌かと?面倒な事極まりないので。

「それで?菊池、お前は何処が良いと思う?」
「…丸投げじゃないっすか」
「あ?じゃあ、竹中。君は何処が良いと思う?」
「そうですね……人数が多いイコール部屋を大きく、しかも飲み放題に。と言う事になるので…このふざけたネーミングセンスのまーるかいてちょん。と言うお店は如何でしょう?」
「お、流石竹中だねぇ!」
「何だこの毒舌な竹中」
「毒舌と言えば、田中さんではないでしょうか?」
「あ、居たな。そんな奴」
「…へぇ、菊池先輩は自分の部署に居る方すら覚えないんですねぇ。へぇ?」
「すみまっせんしたぁ!」
そんなくだらない会話をしていた私達を見て上司のお二人方は唖然として見ていた様で、すぐさま私はすみませんと小さく謝罪をした。
「い、いや気にするな。竹中の意外な面を見たと思ってな」
と頬をかいて少し照れた様に言う鈴木さんに私は何故この方は、照れている様なんだろうか?大丈夫か、この部署の人間。と本心で思う。所で、鈴木さんと言う男性の方は上司であるのは判ったけれど今一解らんと、菊池先輩ってフルネームは?と言う声が聞こえてきそうなので、ご紹介をします。

鈴木 智史 (スズキ サトシ)…年は35歳。容姿は整った顔立ちで身長が高く黒縁の眼鏡を掛けており、俗に言う細マッチョと言う体型の男性である。趣味は後輩を弄る事。未婚。独身を貫こうかなぁと呟いているとか。好きなタイプ?知りませんよそんな事。

菊池 善人 (キクチ ヨシヒト)…年は26歳。容姿は甘いマスクとなる顔立ちだからかそれなりにおモテな男性。趣味は後輩をいびる事。未婚だが、彼女は居るらしい。それを聞いた私は吃驚しました、居なさそうに見えたもので。好きなタイプ?彼女さんでは?

ざっくりとご紹介を致しましたが、こう見ると鈴木さんと菊池先輩はよく似ているなと思う。特に双方の趣味が。気が合いそうですねお二人方。

「…よし、じゃあ竹中が提案してくれたふざけたネーミングセンスのお店で二人は良いと思うか?」
「良いと思います、あの竹中が選んだ店ですからねぇ」
「…あぁ、良いよそこの店で」
ふざけたネーミングセンスと鈴木さんは先程の私の言葉をパクッて…いや拝借し、各々のその言葉で私達はこの狭い喫煙所から去っていった。