「遊馬!よかった、まだ残ってたか…」


「先生が残れって言ったんですよね?まぁ遅すぎて帰ろうかと思いましたけど…」


あれは一週間前。


全てにおいてのレベルが平均な僕、霧灯 遊馬(むとう あすま)は、唐突に先生に呼ばれた。


今までこんなことは無かったから、かなり緊張したものだった。


「ごめんごめん。ところでお前こないださ、血液採取しただろ?」


「あー…そんなんもありましたっけ。よく覚えてませんけど」


「いや覚えてろよ…わりと最近だぞ?」