「あ、すみませ………って!酷いのはどっちですか!?枷口さん、僕になんか嗅がせましたよね!?」


「ただの眠くなるお薬ですよ〜。副作用はありませんのでご安心を!それと私のことは瑠璃って呼んでください。」


「え?は、はい……瑠璃、さん。」


今まで女の人を名前で呼ぶことなんて妹くらいしかなかったから、妙に気恥ずかしい。


少し俯くと、急に首に鈍い衝撃を感じた。


「ぐぇっ………」


「やー顔真っ赤やん新人くん!かわいー!!てか若っ!!名前何やっけ?」


いつの間にか背後に男の人がいた。僕の肩に腕を回しながら早口にまくしたてられる。