なんで知ってるの、と言えばもう終わりだ。認めたことになっちゃうから。


「何のこと? ただ友達と遊びに行くだけだよ……」


涼ちゃんは鋭く睨んだまま、その中に呆れを滲ませて手を離した。


「……あっそ、俺の勘違いだったわ、ごめんな。じゃあ楽しんでこいよ」


ぱっと離された腕は既に遠ざかって、もう背を向けていた。


涼ちゃん、と言いかけてあわてて口をつぐむ。ここで頼るわけには、どうしても、いかない。



涼ちゃんにばっかり頼って、迷惑をかけるわけには。



駅の方向に足を進めた。