そしてその土曜日は明日に迫っていた。



「はっきり言えよ、気持ち悪いぞ」


「やっぱりいいってば、何でもないもん」


「嘘つけ、これ見ろ」


そう言って差し出されたのは涼ちゃんのスマートフォンの画面。映るのは私の顔。……顔?


――カシャ。


「っあぁあ! 内カメラだ! 撮ったの!?」


「ふ、間抜け面だな」


ばかばか、とスマートフォンを奪おうとすると涼ちゃんが真顔になって言った。


「……間抜け面だな、――いつもより。何があった」


「……何でもないもん」


涼ちゃん離れ出来ないのは、涼ちゃんが実は甘やかしてくるからだというのも、きっと原因に含まれる。