「……菜緒ちゃんに触らないでくれる?」


「誰のせいでコイツがこうなってると思ってんだよ」


ぐ、と涼ちゃんの腕に力が入った。


「医学部じゃなくて悪ぃな。別に学歴が全てじゃねぇと思うけど、理数系得意なとこは純粋にすげぇと思うわ」


「……急にデートに乱入するとは、野暮だね」


「あ? 急にデートしろって脅すよりはマシだろ」


――話になんねぇ、行くぞ。


涼ちゃんが私を引っ張って行こうとする。そこをなんとか踏みとどまった。