たくさんの笑い声が響く室内。



あちこちには食べ物の残骸や飲みかけの樽がテーブル上に広がっている。




それを『汚い』とは思わない。



むしろ、とても活気に満ち溢れていて尊敬する。





これぞ、男の中の男!って感じがするから。





「おい、アンザ~!ボスがお呼びだぞ」


「……っ、分かった今行く」





カウンター席からオレを呼んだ男は仲間のザンだ。

赤髪の短髪に黒のバンダナを巻いている。

この賊の副ボスだ。




とても気さくで優しい人なのは間違いない。とても尊敬している。


けど、目が凄まじい。赤い目がギラついてるから。

まるで獲物を狙う野獣のようだ。



とオレはそう例えてる。




ニヤリと笑いながら奥の扉を親指で指すザンに舌を出す。





くっそ。そんな顔して見んな!

こっちはどんな気持ちでいるか知らないくせに!



みんなに紛れて笑ってもオレの心臓は激しく脈打ってたんだぞ。





「そんな顔しても、意味無いぞ」


「うっせーバカ!」


「ま、そんだけ元気あれば大丈夫だろうな。ガンバ〜」