もう2個は明日の朝と夜に残すことにして、袋を閉じようと手をかける。
そこで一旦動きを止めて、おにぎりの下から覗いてみえる色褪せた紙切れを掴んだ。
それを読んですぐさまリュックのポケットの中を確認する。
「やばっ、……すごい」
袋の重みに感激した。そして感謝も。
あの紙切れには
〝お前の持ってる量じゃすくねーから、大事に使えよ!byザン〟
と殴り書きされていた。
それから、その下にボスからのメッセージもあった。
〝向こうは煌びやかだから、今着てる服はどこかで着替えろ。なるべく明るいやつな。その金は全て使って構わない。ま、大事に使え。幸運を祈る。待ってるからな。 ジャック〟
相変わらず達筆すぎる、かっこいい字に見惚れつつ『ありがとうございます』と心で感謝した。
「やっぱりこの服じゃ怪しまれるってことだよな。……どこか探さなきゃな」
今から考えてもこの付近の情報なんて一切知らないオレは
とりあえず、今日はここまでにして寝ることにした。