中を探りながら、これまで一口もお腹に入れてないことに気付いて、こんな豪快に鳴っている音に納得した。
「ん?」
そう声を出したのは奥底に何かザラついたものに触れたから。
はじめてみたリュックの中。
覗くと茶色い包み紙があった。
取り出してみると何やら丸っこいものが3つ入っていることを肌で感じ、さらに中を覗くと目を見開いた。
「わ……これって」
姿をみたもの、それは『おにぎり』。
ただ丸めただけの真っ白なおにぎりだった。
一つ取り出すと小さな笑みを浮かべた。
「デカすぎ」
手から溢れそうだし。食べにくいって。
一口くちにすると、お腹も喜んでいるのかまた腹の虫を鳴らせた。