ふたりは少し不思議な変な子だった。



次の日からふたりの席は空席になり、席替えをしても埋まることはなかった。





「どうしたの、最近ずーっとぼーっとしてる」





お弁当を食べながら肩をつついてきたクラスメイトに、






「・・・もし明日世界が終るとしたら、どうする?」




ぽつり、そう尋ねてみた。




彼女らは目を瞬きさせ、




「えー、遊ぶ!」



「寝るかなー」



「課金!」




「好きな子に告白する!」



と、口々に言って高い笑い声をあげる。




「そーゆーあんたはどうなのよ、なにすんの?」




背中をたたかれて考えてみるけど、ぱっと思いつかない。




「・・・なにすんだろー」




「うわー、すごい時間無駄にしてそー」



「最後の日くらい楽しまなきゃだよー」




最後の日くらい。




その言葉がとげになり、彼女たちの言葉が求めたものと違うことに気づき




「だよねー」


と、曖昧に笑ってみせた。