ふたりは少し不思議な変な子だった。





「扉には鍵がかかってる」




片割れが目を閉じて呟く。




「鍵はもうある」




片割れも目を閉じて呟く。





「でも」





「まだ扉を開けない」





――――あけない。




あけられない、じゃない。




あかない、じゃない。





「・・・いい、の、それっ・・・」




なんてむちゃくちゃなんだろう、



思わず涙をのみながら笑ってしまった。




少ししょっぱい味がして、パズルが解けたのだ。




まだはまらないピースはあるけど、もう場所は限られた。




目の前のふたりは目を開けて笑い、





「白い扉で不幸せまでなんていらないわ」




「扉の数は限られてても、色は限られてない」




「3色だとしても、塗り替えてしまえばいい」





幸せの色に。





さっきまでの涙とは違い、別の涙がぼろぼろとこぼれ落ちていく。




「答えはわかった?」




「もし明日、世界が終るとしたら?」





きっと、こういうんじゃないか。




どこからでてくるかもわからない自信をもって、それは言葉になった。




『明日、世界は終わらない』





誰も考えられないような



意味の分からない答え。




でもきっと、ふたりはこういうんだろう。




ふたりは私に答えを望んだんじゃない




ぱちり、最後のピースがはまり、それは脳内に夕焼け色で映し出された。