ふたりは少し不思議な変な子だった。




扉が3つ、赤と黒と白。





ふたりは鍵がかかってるといった。




目の前のふたりもまた、鍵がかかってると。





鍵は、片割れがいないと扉が開けられないから。




片割れがいないのに、扉を開ける必要がない、そういうことなんだ。





ふたりが選んだ白い扉の鍵は、ふたりでいることで開いた。





それでも、空白。




【全部ある】と【何もない】




全部ある、は



幸せがあれば、同じだけの不幸せがあること。




何もない、は



幸せがなければ、同じだけの不幸せもないこと。





だから、空白。




なら、どうすればいいのか。




全部望むのは高望みだと、




幸せだと思えるだけいいと、





白い扉を開けるしかないのだろうか。





わけもなく、ぽたりと涙が頬を伝う。




悲しくも苦しくもない変な感情だった。