ふたりは少し不思議な変な子だった。




「…幸せ?」




言葉をなぞり返した私に、ふたりは続ける。





「ふたりは、幸せだったのね」






「でも、それは幸せじゃない」




意味が分からず首をかしげる私を無視して、ふたりはしゃべる。




「ふたりが選んだのは、白い扉」





「ひとりじゃ通れない、鍵が必要な白い扉」




「白は空白」




「ふたりでいる幸せと、なにもない不幸」




「どの扉を選んでも、幸せにはなれない」





「鍵はどの扉にもつけられるから」




私の中のパズルが、動く。




【ふたり】という題名の、とても難しいパズルが。




音を立ててはまって、





はまらずに枠の外へ放り出される。





ふたりが私を見て、にこりと笑う。