もう独りじゃないから

彼女は、深々と頭を下げた。
周りの視線が一気に集中する。

「ちょっと……やめてよ。」
「お願いします!!!」

私は、彼女に頭を上げるように何度も言うが、上げようとしない。
また、ため息が溢れる。

「分かったよ、見学だけね。」

由樹は、目を輝かけながら頭を上げた。
どうしてそこまでするんだか。

「有難うございます!では早速案内しますね!」
「え?」

由樹は、私の手を引き歩き始めた。

「待って、今から?!」
「もちろんです!」

私は、由樹が笑顔で歩いている後ろで複雑な表情しか、出来なくなっていた。

「……やらないって決めたのになぁー。」
「え?どうしました?」
「何でもないよー。」